「無断欠勤する従業員を解雇したい」とお悩みでしょうか?
一般的に、無断欠勤が2週間以上続いているときは、解雇が可能と考えられます。
もっとも、欠勤期間が短い場合や、ハラスメント・精神疾患を理由に欠勤している場合には、安易に解雇してはなりません。欠勤の原因を確認したうえで、注意指導や軽い懲戒処分を行うなど、すぐに解雇せずに慎重に進めるのが適切です。
今回は、無断欠勤による解雇について、流れや注意点などを解説しています。無断欠勤する従業員にお悩みの会社経営者や人事労務担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。
解雇についての基礎知識は、以下の記事で解説しています。
参考記事:解雇とは?退職勧奨とは?両者の違いや注意すべき点を会社側弁護士が解説

無断欠勤が続くときは、解雇が選択肢のひとつです。
一般的には、2週間以上で解雇が可能になると考えられます。
行政通達では、解雇予告の除外認定が認められる理由の例として「2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合」が挙げられています(昭和23年11月11日基発第1637号、昭和31年3月1日基発第111号)。
裁判例でも、2週間の無断欠勤による懲戒解雇を有効としたものがあります(開隆堂出版事件判決・東京地裁平成12年10月27日)。
就業規則に定めがあれば、長期間の無断欠勤による懲戒解雇が可能です。懲戒解雇できるケースで普通解雇を選択しても構いません。
参考記事:懲戒解雇とは?普通解雇との違いや要件・注意点を解説
もっとも、無断欠勤があっても解雇できるとは限りません。欠勤期間が短い、欠勤の原因がハラスメントや精神疾患にある、注意指導をしていない場合などでは、解雇が無効とされるリスクが高いです。
法的に解雇ができないのに強行すると、従業員と争いになり、最終的には裁判所に解雇が無効と判断されてしまいます。無効とされると、復職させたうえで解雇後の未払い賃金(バックペイ)の支払いを強いられるため、会社にとっては大きなダメージです。

無断欠勤を理由に解雇するまでの流れをまとめました。
無断欠勤と一口に言っても、原因は様々です。まずは、電話・メール、場合によっては自宅に赴くなどして連絡をとり、欠勤の原因を把握するようにしましょう。
従業員が無断欠勤している理由としては、たとえば以下が考えられます。
理由によって、解雇が認められるかが変わります。社内でハラスメント被害に遭っている場合や、精神疾患に罹患している場合は、安易に解雇してはなりません。
精神疾患に罹患した従業員への処分が無効とされたケースとして有名なのが、日本ヒューレット・パッカード事件です。
原因を確かめずに解雇すると、無効とされるリスクが高まります。サボっていると決めつけずに、まずは確認するのが重要です。
参考記事:うつ病の従業員を解雇できる?パターン別に流れを解説
従業員が身勝手な理由で無断欠勤していたとしても、いきなり解雇するのはリスクが高いです。まずは注意指導や出勤命令により、出勤するよう促しましょう。
指示に従わない場合には、解雇の前に軽い懲戒処分をくだすことも考えられます。軽い懲戒処分を経ていると、後にした懲戒解雇の有効性が認められやすくなります。
解雇が可能な状況であっても、退職勧奨を行い、従業員から退職届を提出させることも検討しましょう。会社から一方的に解雇するよりも、トラブルになるリスクが小さいためです。
もっとも、従業員の同意が前提です。連絡が取れないようなケースでは、退職勧奨はできません。
退職勧奨の進め方については、以下の記事をご覧ください。
参考記事:退職勧奨の進め方・言い方|円滑に進めるための注意点を弁護士が解説
解雇する前に、通常は解雇予告を行います。法律上、解雇の際には、30日以上前に予告するか、解雇予告手当を支払わなければなりません(労働基準法20条)。
解雇の際には、確実に相手に通知するのが重要です。従業員に会えないときでも、証拠とするために内容証明郵便で送付するとともに、受け取らない場合に備えて同じ内容の特定記録郵便も送る方法が考えられます。
なお、労働者の責任に帰すべき理由に基づいて解雇するときには解雇予告は不要です(労働基準法20条1項ただし書)。ただし、事前に労働基準監督署の認定を受けなければなりません。(労働基準法20条3項・19条2項)。
参考記事:解雇予告手当とは?支払い時の注意点や計算方法を解説

無断欠勤の日数・期間だけで解雇を判断しないでください。他にも、以下のような要素を考慮すべきです。
2週間を超える欠勤があったにもかかわらず、解雇を無効としたケースとして、梅檀学園事件があります。
欠勤が2週間を超えていたとしても、他の事情から解雇が相当でないと判断される可能性があります。期間だけで判断しないようにしてください。
裁判所での争いをみすえて、解雇に至るまでの経過は証拠として残すようにしましょう。
前述した判断要素に関係するものや、解雇の通知をした際の証拠が重要です。
証拠としては、たとえば以下が考えられます。
解雇が有効だと認めてもらうために、確実に証明できるようにしておいてください。

ここまで、無断欠勤による解雇について、流れや注意点などを解説してきました。
無断欠勤が2週間以上続けば、解雇できる可能性があります。もっとも、正当な理由がある場合や、注意指導が足りない場合などには、解雇が無効とされかねません。まずは欠勤の理由を確認したうえで、注意指導し出勤を命じる、軽い懲戒処分をくだすといった方法をとってください。解雇は最終手段として検討しましょう。
無断欠勤する従業員を解雇したいと考えている方は、弁護士法人ダーウィン法律事務所までご相談ください。
当事務所は、会社の経営者や人事担当者の皆様の味方です。ご相談いただければ、無断欠勤で解雇できるか、どう進めればいいかなどをアドバイスいたします。もちろん、既にトラブルに発展している場合には迅速に対応します。
無断欠勤する従業員にお悩みの会社関係者の方は、お気軽に弁護士法人ダーウィン法律事務所までお問い合わせください。